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水も空気もきれいにする日本古来の植物 マコモは学名をジザニア(Zisania)といい、日本に稲が伝来する前から湿地帯に自生していたイネ科の植物です。秋になると「ワイルドライス」と呼ばれる黒紫色の実がなり、縄文時代には薬効のある貴重な食材とされました。北アメリカでも先住民族が優れた栄養補給源として重用していたといいます。 昔は、日本のどこの水辺にもマコモが生えていましたが、今や絶滅寸前の状況にまで追い詰められています。マコモは本来、菰(コモ:ワラで編んだムシロ)を作るための草でした。稲が伝来してから稲ワラで菰を作るようになったので、「真の菰はマコモで作ったもの」という意味で命名されたようです。 このマコモは、自然環境において様々な働きをします。最大の特性は、湖沼や河川などの水質浄化作用。淀んで濁った水を、驚くべき力を発揮してきれいにしてくれます。水辺に生え、富栄養化、農薬・化学物質・重金属類などの汚染物質を吸収・分解する能力に優れており、その地下茎は水辺が洪水で破壊されないよう保護する強靱さも備えています。その他にも、マコモを栽培した後の水田では米の収穫量がアップし、しかも、無農薬・無肥料で品質の優れたお米ができます。マコモが植えられた水田の周りには害虫が寄りつきにくく、逆に様々な生き物がたくさん棲息して、空気の浄化作用や消臭作用まであるのです。 住環境も人も浄化するマコモライフの実践 東邦大学名誉教授の二階堂保氏は、こうしたマコモの力に着目し、マコモの栽培実験や様々な用途を研究され、マコモライフを実践しておられます。 安曇野にある別宅は、畳、壁紙、襖、障子、天井といった、部屋の6面すべてがマコモに囲まれた快適空間です。部屋の入り口に立っただけで清涼な空気が漂い、「心身の健康にさぞかし良いのでは」と感じさせてくれます。 二階堂氏によると、マコモの紙を寝室に置いておくだけでぐっすりと眠れるそうです。また、マコモの葉は消臭作用にも優れ、例えば介護などで発生する特有の臭いも、マコモの壁紙を張り巡らせておくことで消滅したり軽減されたりするそうです。さらには、3年も水を入れ替えていない「マコモ風呂」もあります。このお風呂は排毒作用に優れ、疾患を持つ様々な方からも好評だということです。市場ではお風呂で使う色々な種類のマコモが販売されていますが、ほとんどは醗酵が完全ではありません。「もしご興味のある方は、マコモ100%の完全発酵の物をご使用になることをお勧めします」とおっしゃっています。 マコモの葉は栄養価にも優れており、とりわけβカロチンの含有量はずば抜けています。野生動物は、マコモが怪我などにも良いことを本能的に知っているようで、漁師に翼を撃たれた野鴨が、マコモの地下茎をかじって傷を癒し飛び立った事例もあります。 マコモの新芽に黒穂菌が寄生し増殖すると、「マコモダケ」というキノコができます。とても美味しい秋の味覚で、柔らかく、ほんのりとした甘味と香りが上品な食材です。中国では「茭白(ジャオパイ)」と呼ばれ、初物は皇帝に献上されるなど、昔から美食家の羨望の的となっていたようです。日本の中華料理屋でも、秋になると茭白メニューが登場し、2〜3年前からは一部のスーパーマーケットでも見かけるようになりました。生食からデザートまで、どんな調理法にも合います。今度どこかで見かけたら、ぜひ召し上がってみてください。 【アネモネ2009年12月号】 ●神宿る聖なるマコモが体と暮らしを変える 絶滅寸前といわれるマコモが、現代社会に役立つべく復活しようとしています。マコモライフの実践や、マコモの素晴らしい栄養価とハーブとしての役割、そしてレシピまで、マコモ情報が満載です。 ・水も環境もきれいにする日本古来からの植物 ・住環境と人を清浄化するマコモライフの実践 ・おなかを元気にさせて栄養素も野菜以上に含有 ・料理にイチオシ食材、美味なるマコモダケ 【アネモネ2010年4月号】 ●春から始めるマコモライフ 人と環境の浄化に優れた働きをする「マコモ」の値付けは春。全国各地のマコモ普及活動の状況や、身近で楽しむ方法を紹介しています。 ・休耕地の有効利用や町興しに注目をあびるマコモ ・水辺の復元活動の主役マコモの強力な浄化力 ・お釈迦様に愛用されたマコモの想像を超えたパワー ・マコモの栽培シーズン到来、春先に値付けをスタート
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