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CO2上昇の切り札的植物 マルンガイは、学術名を「モリンガ・オレイフェラ」、日本名を「西洋わさびの木」と呼ばれるマメ科の植物です。一般の木の20倍もCO2を吸収することから、温暖化対策の切り札的植物として脚光を浴びています。 マルンガイは約1年で成木になり、しかもCO2吸収量と炭素固定指数(2酸化炭素を炭素化合物として溜めておく機能)が非常に高いのが特徴です。植えて2〜3年目のCO2吸収量は、一般的な樹木の20倍、杉の50倍にもなります。このときの炭素固定指数は、なんと一般的な樹木の約1,000倍にも達します。 一般的な樹木は、成木になるまで約10年以上もかかり、成木になるとCO2の吸収率は徐々に低下して一定化しますが、マルンガイは成木まで1〜2年と非常に早く、旺盛なCO2吸収能をそのまま一定化します。つまり、「短期間に大量のCO2を吸収 → 伐採 → 再び素早く発芽」というサイクルを繰り返しながら利用できるため、早期に、しかも大量のCO2吸収能力を長期間維持できるのです。 こうしたマルンガイの特性から、次のような計算が成り立ちます。
■私たち1人が呼吸として1年間に放出するCO2(=年間320Kg)を消し去るには、一般的な樹木だと23本(樹齢10年目)必要だが、マルンガイだと2本(樹齢2年目)で吸収できる。 ■私たち1人が1年間に放出する呼吸と生活の中で放出するCO2(=年間6,500Kg)を消し去るには、一般的な樹木だと460本(樹齢10年目)必要だが、マルンガイなら20本(樹齢2年目)で吸収できる。 切迫した温暖化問題に緊急対処でき、かつ長期的に対応できる……この夢のような植物を育てるべく、日本国内でもようやく地球温暖化防止プロジェクトとしての本格的な栽培が始まったところです。 世界の栄養危機を救うマルンガイ マルンガイは元々北インドが原産地で、紀元前2,500年以前から心身の健康のためのハーブとして使われてきました。アーユルベーダーにおいては上位の薬草として位置づけられ、300種類の病気から人を守る薬木として、その後数千年にも亘って伝承され熱帯・亜熱帯地方に拡がっていったのです。 アフリカのセネガルの人々は、貧困等の理由で充分な栄養補給をすることができません。そこで、ビタミン・ミネラルの不足からくる失明や発育障害、低体重出産などが後を絶ちませんでした。 そうした中で、マルンガイの普及活動を行っている団体が、病院敷地内でのマルンガイ栽培や薬の代替品としての利用を奨励したところ、失明や低体重出産が激減したのです。乳児にはマルンガイを粉ミルクと一緒に混ぜて飲ませ、体重を増加させることに成功しました。 医療先進国であるアメリカでは、以前からマルンガイの多様な可能性に着目していました。国立衛生研究所(NIH)は2008年3月、アースディに向けホームページ上でマルンガイを次のように紹介しました。 *すべての部分を食べられます。油は品質が良く料理に使え、栄養価の高い葉はお茶やミルクの代用品として使えます。他の多くの植物には見られない、タンパク質と鉄の素晴らしい供給源です。 *ビタミンCはオレンジの7倍、カルシウムはミルクの4倍、タンパク質はヨーグルトの2倍、ビタミンAから亜鉛に至るまですべてのビタミン・ミネラルと必須アミノ酸が存在しています。 *マルンガイの自生している地域は、食料危機国です。この木は何百万人もの命を救うかも知れません。 *濁りを取り除く凝固剤と殺菌薬のように働き、汚れた水を浄化します。化学物質で水処理をする際、種子の抽出物は局所的な代替手段として、低コストで利用できます。 この後も、新たに解明された研究結果が徐々に発表されています。アメリカのある薬理学者は、マルンガイについて次のように表現しています。 「マルンガイは、これひとつで人間に必要な栄養素を一度に摂取できる、完璧に近い植物なのです」 【アネモネ2008年8月号】 ●マルンガイがやってきた 温暖化対策の切り札として一躍注目を浴びるようになったマルンガイ。しかし、まだまだ一般の人たちには知られておりません。ケタ違いの栄養価と温暖化防止能力を、どうぞご一読ください。 ・古代の逸話も関係する神秘的な生い立ち ・ソマチッドも栄養価も高含有し、有害物質を排出 ・今、注目を浴びる突出した温暖化防止能力 ・国家規模で世界に拡がる植林プロジェクト 【アネモネ2008年11月号】 ●世界の栄養危機を救う「マルンガイ」の魅力 奇跡の植物「マルンガイ」の、特に栄養価に焦点を当てた内容。食料危機や貧困による失明や発育障害を救う植物として、注目の内容を紹介します。 ・マルンガイの本場は急速に活気づいています ・世界的に着手されているマルンガイの普及活動 ・赤ちゃんから高年齢まで採り入れたい栄養素群 ・お料理スキンケアに愛用者急増中 |
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